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Live×Evil〜灼熱のエデマ/熱砂のプロメテウス〜

LIVE×EVIL 灼熱のエデマ (ライブバイエビル)
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Live×Evil(ライブ バイ エビル) 熱砂のプロメテウス
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個人的評価
★★★★☆
制作
発売日

ジャンル
対象年齢
対応OS
価格
備考
EDGE
2005年10月28日[エデマ]
2007年02月09日[プロメテウス]
ノベルADV
18禁
Windows98/2000/Me/XP
各5,250円(税込)
CV有、修正ファイル有
シナリオ:宙地
原画:琴稀りん
音楽:CUBE

エデマ編単品のプレイ後レビューはこちらです。
※プロメテウス編は修正パッチ(Ver 2.01)を当てた状態でプレイしています。

 突然軍を解雇されたユウシは、特殊部隊エデマの一員となり、プロメテウスと呼ばれる反体制組織の調査を行うよう命じられた。プロメテウスを率いるケンショウは、ある目的を達成するためだけに生きている。過去に奇妙な交流のあった二人は、互いに苦い思いを抱えたまま再会を果たすが……。

 一作目の『Live×Evil〜灼熱のエデマ〜』(以下エデマ編)が、基本的に何も知らないユウシの視点で事件に巻き込まれていく物語であるのに対し、二作目の『Live×Evil〜熱砂のプロメテウス〜』(以下プロメテウス編)は、エデマ編と同じ状況を、エデマ編において事件の中心に深く関わる人物でもあった、ケンショウの視点で進行する物語になっています。ストーリーとしてはそれぞれ完結しているので、どちらを先にプレイしてもさしたる問題は無いでしょう。とはいえ、プロメテウス編の主人公は初めから深い憎悪の念を抱いており、話への入りやすさ、理解しやすさから言って、エデマ編から始めるのが無難です。また、個人的評価は単品に対する評点ではなく、両作品のプレイを踏まえた上での相乗効果によるところが大きい、とお考えください。

 本作品は、エデマ編とプロメテウス編の両方をプレイすることで相互に補完し、初めて一つの完成形を成すようなシナリオ構成になっています。片方のみでは手応えが激減するため、結果的に発売時期が一年以上離れてしまったことは、メーカーとユーザーの双方にとって痛手であったかもしれません。というのも、一シナリオを二つに切り離した際、重要な事象との関わりを等しく振り分けたと感じられるからです。これといって何も起きない、緩慢な時間が続くときには大抵、見えない所でもう一方の主役にスポットライトが当てられているわけです。ただ、そういった事情については多くが知らされないまま流されること、物語の軸がケンショウ寄りであることなどから、エデマ編のみを終えた段階では、尾を引く退屈な気分が好感触を凌いでいました。

 プロメテウス編の開始後まもなく、どういう表裏一体にあったのかを知って以降は、ひとつひとつ噛みしめるような本文の雰囲気に、プロットの強弱をさほど気にせず浸ることができました。派手な盛り上がりとは最後まで無縁ながら、場面ごとに静かな余韻を残すことで、登場人物との関係性に自然な空気を醸し出す。エデマ編の最たる不満は、終盤の冗長な収束過程にありますが、その点でプロメテウス編は、まさしく渦中にいるケンショウが様々な立場の人間と接触する様子が描かれ、エデマ編よりも歯応えを感じつつクライマックスへ向かっていけたと思います。尤も、それは既にエデマ編で概要を掴んでいたおかげかもしれない。それでも、常に受け身で話の中枢に置いてけぼりを食らったユウシとは違い、ケンショウはちゃんと主役でした。

 個別シナリオに目を向ければ、エデマ編/プロメテウス編それぞれに二人ずつ、充実した内容を割り振られていることがわかります。結論から言うと、エデマ編はケンショウとコウ。プロメテウス編はセイジュとファンレンです。逆にそれ以外では、相手の抱える事情および行動理念は腑に落ちないのが仕様です。特にプロメテウス編のユウシルートは、エデマ編を単純に引っくり返したがために、意思を感じ取るという点において致命的な溝が生じています。それだけ、主人公としてのユウシは心が豊かだったということでもあるのだけれど、プレイ感の悪さは否めない。心情描写が足りない、と声高に叫びたいところですが、これはもうエデマ編を作った段階で制約されてしまうわけで、いかにエデマ編のユウシが受動的であったかがわかるというものです。

 両作品をプレイすることで広がるものは、本作の場合、ストーリーより寧ろキャラクターの奥行ではないでしょうか。ユウシは前述の通りですが、ケンショウは冷静寡黙に見えて天然ヘタレであるとか、セイジュはツンツン/デレデレであるとか。コウとファンレンは、温厚なユウシに対してはやんちゃに、無愛想なケンショウに対してはつっけんどんな態度で接し、それがまたどちらも萌える。後半のHは、適度に脳内妄想を刺激されるシーン切替に加え、焦れるような余裕のなさが濃密で、これまた甚だ萌える。安定した筆致に支えられたメインキャラクターの息吹が、声優の好演によって独自の個性に昇華されていると思います。二作に分けたことで細かな設定の配置を運用しきれず、話としては平坦な印象を拭えませんが、キャラ造形は特筆に値する巧さです。

 主要人物のキャスティングは隙なし。ユウシはときどき喘ぎ過剰。音楽は地味なものの、概ね世界観に合っています。イベントCGは上半身だけを捉えたものが殆どで、構図にも工夫がない。殊に裸体、ボッテリ腹の描き方は難あり。カップリングは、エデマ編のユウシが受2・両方1・攻1だった割に、プロメテウス編のケンショウはセイジュ以外全員どちらも選べるという、ちょっと意外な懐。幕引きには「普通」が存在せず、グッドエンドで甘いにも程があるバカップルに砂ざらざら吐かされるか、バッドエンドで救いの無いお先真っ暗な未来を迎えるか、二つに一つという極端な分岐。バッドエンド群の鬱展開はテキスト表現がぎこちなく、妙に不慣れ感が漂う。総じてエンディングの演出にもっと凝ってほしかった。メニュー操作快適。ディスクレスプレイ不可。

総評

 良くも悪くも ふたつでひとつ です。各々を単品で見た場合、もう一方での補完に頼った空白部分が多すぎて、はっきり言って成り立たない。しかし、エデマ編とプロメテウス編のピースを嵌め合わせてみれば、個人的には硬派な仮面をかぶった実においしいBL作品でした。まずはエデマ編をプレイし、キャラの関係性に少しでも魅了されたら、迷わずプロメテウス編も買うべし。

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